梅雨の最中、蒸し暑さが増していた頃だった。
1歳半のメイと2歳8ヶ月のランを連れ、荷物を抱えての移動は骨が折れるため、両親が関空まで付き添ってくれた。
娘たちは大人の大変さもどこ吹く風で、電車やバスを楽しんだ。
しかし、
「台湾にはじーちゃんもばーちゃんもいないよ」
とか
「じーちゃんばーちゃんが喜ぶから、また日本へ帰ろうね」
と言うと、悲しい〜などと言い、泣くのだった。
関空までが遠いのだが、そこからも私の正念場だった。
毎回、飛行機に乗る際、娘たちは早朝起こされ、寝不足のはずなのに
道中、機内ともにうたた寝すらせず、大きな声ではしゃいだり、あれこれ触ったり、歩き回ってこちらは冷や汗、ため息ものだった。
それでも、特に客室乗務員たちは幼い子供が可愛いらしく、ニコニコおおらかに接してくれたが、親としては恐縮し通しであった。JALグッズなどをもらい、チャイルドミールは目も楽しませてくれて、ランはご機嫌なのだが……
ところが、その日は私の不安をよそに、予想外の成長ぶりをランは見せた。
搭乗後、席にちょこんと座り、安全ベルトを自ら締め、ウロウロ動かず、しばらくスヤスヤ〜、見違えた。
80日ぶりの台北。
到着した夜は30度を下らず、翌日も早朝すでに31度><
亜熱帯・台北生活に再び突入。