教師陣も然りで、ユニークと言えた。ただ、標準的で美しい中国語が話せることが大前提の絶対条件らしかった。
9月1日に始まる、いわば秋学期からの入学を許された私は、その約2週間前に新入生の登録会なるものが数日間あり、私はその最終日に間に合うよう8月18日日本を発った。
住処としたのは、父の知人に台北に住む友人がいて、その台湾人の老紳士の弟が所有するアパートの3階だった。学校からはバスで30分はかかる距離で、多くの留学生が学校付近に部屋を借りる現状に反したが、なにせ初めての海外生活で、言葉もままならない心許なさ、、、やはり知人が近くにいる安心感を得たく、そうしたのだった。バス通学も、慣れてしまえば苦ではなかった。
新入生登録日に簡単なクラス分けテストを受けたが、案の定、入門クラスに振り分けられた。数年間の独学など、発音が極めて難しい中国語にはまったく通用しなかった。ショックではなかった。言葉と言うものはそんなものだろうと思えた。