2008年11月04日

3泊4日台北行き

10月も末だった。台湾へは、あるツアーに一人で申し込み、三泊四日台北滞在コースを選んだ。
主要な観光スポットへは、現地ガイドとバスが案内してくれたが、結構あるフリータイムも、一人黙々と歩き、あちこち巡った。日本なら秋色が濃くなる時季だったが、私が訪れた四日間はよく晴れ、日差しが強く、とても暑かった。あまりに暑いので、午後長く出歩くとつらく、面倒くさいと感じつつも疲れて一旦ホテルの部屋に涼みに帰ったりもした。冷房が利いた部屋で休んでちょうどよかった。
そんなに気温が高いのに、街を歩いていると、店先に丸鶏が何羽も吊り下げられている食堂はそこかしこにあった。
メニューを見ても、どんな料理か想像できないものが多く、まさか炎天下に吊られた鶏を使ったものには当たらないだろうと意を決し、注文してみた。私が少し迷っていると、店主が「これ、おいしいよ」と指差し、薦めてくれたのが三寶飯というもので、名前もいいし、それくださいと頼んだ。
三つの寶だもん、あの鶏はないだろうと高をくくったが、おじさんが速く慣れた手つきで、ぶら下がった鶏を使い込んだまな板に下ろし、ダッダッダッと骨もろとも切り裂いた時には血の気が引いた。
やっぱり要りませんとも言えず、お弁当にしてもらった三寶飯を提げて、沈む気持ちを持て余しながらホテルに帰った。
posted by マダム スン at 08:33| Comment(0) | 実家での迷い | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月03日

実家で想う

神というものが本当にあるなら、どういう観点から、何を基点に私の定めに采配をふるっているかはわからないが、あの時私は、そういう力に支配される運命に失望はしなかった。そういう大きな力から見て、私に不要なものは与えられず、与えられるべきものは与えられるのだという、それまでになかった覚悟のような、畏敬すべき何かに委ねるような不思議な安寧を得るに至った。
田舎では、なかなかかつて通っていたような中国語教室はなく、まったく独学に頼るしかなかった。書き込み式テキストに指示通り書き込むだけの空しい学習状況だった。
大学時代、本当は大学院へ進みたかったが、父の反対や、それに勝てるだけの具体的な研究計画が私にも立てられず断念した経緯があった。そのせいか、もっとアカデミックな生活を送ることに未練が残ったままで、社会人が中国語を学べる制度を調べ始めた。
しかし、私を本気でそれへ駆り立てなかったものは、試験の難易より、そういう学校まで通うに必要な高額な交通費と3〜4時間に及ぶ通学時間だった。
英語講師の仕事は夕方から夜にかけてのみだったので、昼間は洋菓子店でアルバイトもしていた私は、かなり多忙な毎日を送っていたが、栄養補給のためにも、数日間休暇を取り、旅行に行くことにした。ホテル退職後、1年余り経った秋のことだった。取れる休みには限りがあり、2〜3泊でも楽しめるらしい台湾に初めて行くことに決めた。
posted by マダム スン at 10:37| Comment(0) | 実家での迷い | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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