饅頭とはいわゆる蒸しパンだが、日本の甘いお菓子風のものはほとんどなく、食パンや白飯の代わりになるような感覚で食される。肉包は肉まんだ。
阿振肉包の饅頭はミルクパウダーが入っており、やわらかくほんのり甘い。それが人気の秘密かもしれない。
昔、ここ鹿港を訪れた日本人が阿振肉包の味に惚れ込み、何度も頼み込んで弟子入りし、3年間修業、東京に帰って自分の店を構えたという。
そのエピソードが店頭に書いてあるのだ。日本びいきの多い台湾では、こういうハナシも良い宣伝になるのだと思う。
今もその日本人の店が営業しているのか私は知らないが、興味をそそられる。
中山路を戻り、車に乗り込んだのが午後4時。
途中雨が降り、そんな様子をぼんやり見やりながら私と娘たちはうつらうつら……
さすがにバスよりは早く、6時すぎ無事台北の我が家にたどり着く。
運転手のリー、ご苦労さまでした。
さっそく阿振肉包の饅頭などを広げ、夕飯に。
期待通り、やさしい味で、みなこぞって食べた。
こうして4泊5日の家族旅行は楽しいたくさんの思い出をくれて幕を閉じた。