退職が決まり、もうすぐ台湾に帰るというのに、リーは3月25〜28日台北本社に出張した。
4月目前のその時期でも、朝の散歩時にはマフラーや手袋がないと寒く
オンドルを22度くらいに設定していた。ランは「ママ、眠いの?一緒に寝よ!」など、まとまったフレーズを話せるようになり、メイは歩行器に自らよじ登り、スポッと上手に座れるようになった。
そのマンションの次なる借り手はまだ見つからず、また大家さんがひと組の夫婦を連れて来た。毎回思うが、ここを借りるというのだから相当裕福な人たちなのだろう。
リーが台湾から帰る日の夜、いつものように私はランとお風呂に入ろうとすると、そこの電球が切れ、灯りがつかない!リーは不在、困ったぞ。
私はいただきものの立派なローソクがあったことを思い出し、それを灯して入浴することにした。ランはハッピーバースデーの歌を歌いだし、大喜び。2人で「きれいねえ〜」とうっとりいい気分だった。
ところが、いざ湯船に入ろうとする時、お湯がかかったのか、そのやわらかな光が消えてしまった。
真っ暗・・・・・
「コワいー!」
ランが半泣きになる。これまた困った。
私は大きな声で歌を歌い続け、なんとか乗り切った。得がたい体験。
翌日、電球は切れた実物を持ち、COEXの大きな雑貨屋に私が買いに行った。
またその翌日、3月31日、リストラで随分少なくなったソウル支社のみんなが送別会を開いてくれた。