自由に遊ぶ時間があると、ランはよそのママや子供たちのところへじりじり近づいて行き、いつの間にか輪に入って楽しんでいる。母親のそばを離れなかったり、泣いたりする子もいる中、ランは私の存在を忘れたように部屋中闊歩し、あちこちで遊ぶ。そして、たま〜に思い出すのか、「ママ〜!」と呼び、私の居どころを確かめるとまた夢中になっている。私のところへは来ない、どこにいるかわかればいいようで、楽といえば楽だが、拍子抜けするのはしょっちゅうだった。
一方、生後4ヶ月、メイは初めて声を出して笑うようになった。
一時は、この子、笑わないんじゃないかしら、というくらいランとは正反対、無表情に近い子だったゆえに、とてもうれしかった。
5月半ば、天気もメイの体調も良好な日、小児科医院へ3種混合ワクチン2回目の予防接種に行くことにした。
台湾、日本、そして次は韓国。
娘たちは三つの国で各種予防接種を受けることになる。台北の医師にも訊いたが、日本の医師の意見も聞きたくなった。特に期間を置いて数回接種すべきワクチン、国が違えば成分も異なるのでは?大丈夫でしょうか。
「まあ、台湾、日本、韓国なら多少違っても基本的に問題はないでしょう。」
よかった。
「そう言えば、うちに来る患者さんで、子供の予防接種のために帰国する人がいますよ。」
え? どこに住んでいる方ですか?
「インドです。」
はあ、、、、、。 インドにはまだ行ったことがないので何とも反応し難かったが、さぞかし大変だろうと思った。
まさに風薫る5月。日本で爽やかな過ごしやすい季節を謳歌できる悦びに浸る。
私の誕生日も近づいたそんな折、リーから国際電話が入った。
ソウルに赴任して間もないリー。毎年米国で開催されるゲームショー視察のため、彼はロサンジェルスにいた。