本来、病院で医師の診察を受ければ、多少なりともホッとしたり、気が晴れるものだし、医者たるもの、自分の顔を見せるだけでも患者の不安を軽減するくらいの腕や人徳のようなものを備えるべきだと思う私は、何とも煮え切らない思いだった。
「わからないなあ、、、、」
それはないでしょう。
少なくとも、日本にだが、私にはその医師に診てもらっただけで納得し、治癒の望みに充ちて安らぐかかりつけの医師がいる。
ランは相変わらず泣いてぐずった。熱は38度を超えるし、嘔吐や下痢が続く。それを見ても聞いても胸が痛み、不安で気が狂いそうになる。もちろん、ランはまともに食べられない。
明日は日本へ里帰りする日、私はランを看病しながら荷造りにも忙しくした。医師たちは飛行機はOKだと言うが、本当に大丈夫だろうか。
台北の自宅から空港まではリーの車で約40分。
台北から関空はだいたい2時間余り。
関空から実家までが空港バスや電車を乗り継いで、これまた2時間余りかかり遠い。
日本の両親たちも心配している。
4月24日、今は無き日本アジア航空218便、10:35台北発、沈鬱な4人を乗せて、関空に飛び立った。