交通手段はだいたいがバスだった。地下鉄の駅まではかなり距離があったが、バス停はマンションのすぐそば。その上、うちから黄皮膚科のある隣りの新店市までは「一段票」、いわゆる一区間、15元(約40円)で行けるのだ。
バス料金は私の一回目の留学時代(1994年頃)と変わらない。距離によって「両段票」の30元となるが、それでも安くて便利だ。
ソウル赴任を承諾したリーだったが、その後またしばらくは悩んでいた。もともと転職希望の意向はあったし、重任を受ける前にいっそ退職してしまおうかという気持ちが起こるのもわからないではなかった。
しかし、子供が2人、4人家族となった今、無謀なことはできない。
彼が興味を持っている民宿経営やヨット管理業務などは、そう容易に始められるものでもない。
ふっ切れないなか、1ヶ月ぶりとなる3月21日より、リーは再びソウルへ出張となった。