当初、ランを出産した珂産婦人科近くの小児科医院を受診していたが自宅から遠く感じるようになっていた。近所にもたくさん小児科があったので、私がそう感じるようになるのも無理はなかった。
かと言って、一か八かで飛び込むのもコワい。当然、台湾にも腕のいい医者とそうでない医者がいる。
そこで、私たちが選んだのは義弟の子供たちかかりつけの小児科だった。なんでも、義姉の友人の紹介で知ったらしい。
そこなら、バイクやバスで5分かかるかかからないかだし、親戚も通っているという安心感があった。実際に私も医師と会ってみて、とても好感を持ち、予防接種や体調を崩した時はお世話になっていた。
院長である長身で雰囲気のいい男性医師と、ショートカットでハツラツとした女医が交替で診察しており、ランは院長先生に診てもらっていた。
「風邪症候群」としか病名はつけられないようだった。
帰宅後、解熱剤など飲ませたが、翌朝も38.7度の高熱。昨日は喜んで薬を飲んだのに、ランはそれも嫌がる。
私は不安で、朝7時を待って、大陸にいるリーに電話をかけた。
やはり、特に子供のことで心細い時はリーが頼りだった。衝突しても、彼の人間性の清さに対する信頼が揺らぐことはなかったように思う。