乳幼児諸々の予防接種は、台湾と日本では規定が異なる。
私はそれぞれの国でもらった母子手帳などを見比べながら、必要と思しきものにはきちんと対応した。
台湾では「衛生所」という、日本の保健所か保健センターに相当する公的機関のみで無料で接種可能なもの、保健所と一般の医療機関いずれでも接種できるもの、そして一般医療機関のみで接種すべきものといろいろあった。
いずれにせよ、一般の医院や病院の方が費用負担は大きいが、診療時間が長く、待ち時間も短くて済む最寄りの医院を選ぶ人はいる。うちもそうしたことがあった。赤ちゃんを連れて、連日大勢の人でごった返している衛生所で1時間も2時間も待つのはつらいものがある。ランが風邪をうつされるのも怖かった。
水痘の予防接種に行った際測ったランのサイズは、身長72p、体重8.5kg、頭囲45p。
テレビの中で誰かが手を振ると、それに応えて手を振る。ぺたぺた、ペンギンのように歩く。櫛で自分の少ない髪の毛を梳く。満一歳になったランはそんな成長ぶりを見せた。
その年の11月は暑かった。一度涼しくなっていたのに、再度25度を超える日が続き、私はノースリーブの服を着たり、ソックスを履かずに過ごしたりした。
また、日によって吐き気がひどく、ラン妊娠時同様、悪阻はどうやら出産までおさまりそうになかった。