台湾リー組はタクシーをチャーターして玉泉洞へ行き、私、ランと両親はくもじパレットというデパートでゆっくりした。雨模様だし、ベビーカーではなく母が胸にランを抱っこしているしで、外をうろうろするのはやめた。
ランはその日初めて、母が日本で早くに買ってくれていた甚平サン(あの作務衣みたいな服)を着た。紺色に花火の絵が描いてあるもので、髪の毛が少なく色白のランは中性的な可愛さがあった。
甚平サンは日本独特の装束で、リーの家族にはとても日本らしく味のあるものに見えるようだった。
くもじパレットの最上階で昼食。大きな書店もあり、3冊本を購入してうれしかった。
台湾でも日本の本は手に入るが、種類はわずかで値段も張る。中国語の本も読むが、やはり日本の作品も読みたくなる。
夜は同じメンバーで宿から歩いて夕食に出かけた。「割烹 司」という日本料理屋があり、のれんをくぐる。
好物のお寿司や煮物をいただく。台湾にも台湾版寿司がある。近所の大型スーパーに行っても手に入るポピュラーさだが、私は日本へ帰った時しかお寿司は食べない。日本人が経営しているとか、日本人が握るお寿司ならいいが、そういう店は台湾の物価からするとベラボウに高い。なら、帰国を待てばいい。
その店は雰囲気も良く、幸せな気持ちになるほどの美味をプレゼントしてくれた。