「どこか撮影に出かけたい場所はありますか?」
ありません、このスタジオ内だけでいいです。
「こんな少なくていいんですか?」
いいんです。
あちらにすれば、めずらしい客だったに違いない。額入り大判は、大人が両手で持っても歩きにくいくらいのサイズだし、プロが撮ったL版が10枚もあれば十分だと思うのだが、額入りの小さいのも作ったり
L版96枚コースなんてのまであるんだから。結婚記念撮影に10万円以上かける夫婦はざらにいると思われる。そう言えば、OL時代の韓国人の同僚が会社で唯一の欧米人社員と結婚した際、結婚アルバムを会社に持って来て公開していたが、厚さ5cmほどのアルバムが3〜4冊あったように記憶する。彼らのマンションの壁には、特大額入り写真が飾ってあったし、、、、、
思い出の場所に撮影隊とともに出かけて屋外撮影するのも極々一般的である。私が中国語を勉強していた大学構内、有名な公園、海岸などで着飾ったアツアツの男女が寄り添い、写真を撮られているのを幾度となく目にしている。寒い日や炎天下では気の毒に思うものだ。あんなことはやりたくないと私は思うのだが、台湾の多くの人々には、結婚記念写真に傾ける情熱と思い入れが脈々と受け継がれているのだろう。