車中よりずっと眠りやすいのか、ランは午後気持ちよさそうに午睡に落ちた。その間に、リーと私は宿泊客にプレゼントされる無料SPAチケットを利用しようとあわてて出かけた。ランの午睡と、無料になる限定時間がうまく重なったのだ。
不要だろうと持参しなかった水着。台北の家には2〜3着ある。もったいないので、適当に選ぼうと1階のショップを物色に行くと、ちょうどsale中のものがある。どうやらSサイズで、若者向けデザインのものばかりが値引きされている。
私は貧弱な体格をしている。リー曰く「未だ発育していない女」><
自覚しているだけに情けない。だが、いいこともある。若者向けデザインを着る度胸さえあれば、格安の値段で結構見栄えのする水着を購入できるのだ。
もちろんそれくらいの度胸はあった。場所も場所、リゾート地だ。
「あった、あった。安く買えたわ。」
と、レモンイエローと水色のツーピース水着を持って、リーと急ぎ足でSPAへ。
誰かが鍵を開けてランをさらって行ったらどうしよう、、、
そんな不安を抱えつつ、充実した施設での休養を楽しんだ。リーは現実的で、ランが起きて、僕たちがいないと泣いて可哀そうだから、早めに帰ろうと言った。
落ち着かず、バタバタ帰り支度をしながら、少しずつ「親」になっていく自分たちを感じていた。