心臓が衰弱し始めた義父を気遣いながら、私たち3人は3月22日台北を出発、子連れハネムーン初日を迎えた。
宜蘭縣を通り、さらに南下、花蓮縣に向かう。峠越えが多く、車は左右に大きく揺れるせいか、ランは6時前起きで眠いようだがうまく寝つけない。うとうとしてはすぐ起きてしまい、かわいそうだった。
午後3時には花蓮縣の宿に到着。まず3人で横になり、休息をとった。
そこは大きな生命保険会社が経営する、農園と併設されたコテージ形式の宿で、丸太で造られた一軒家に泊まれる。
玄関と反対側の窓は森に面しており、童話に出てくるような風景が見えた。
静かでホッとする部屋がとても気に入ったが、ランの世話に何かとてこずった。慣れた自宅と異なり、お風呂に入れるのもリーと知恵を出し合い、工夫して入れてやらなければならなかったし、暖房がないので保温にも苦心した。
翌日の午前中はランをベビーカーに乗せ、農園をゆっくり散策した。早朝からよく晴れ、気持ちよい陽気になった。気温22度。
動物やら鳥がたくさん飼われ、花が咲き、野菜も栽培されている。牛たちの棲む区域傍には、そのミルクや、それを使ったアイスクリームなどを売る休憩所があり、一服した。
リーはかいがいしくビデオをまわし、清々しい風吹き抜ける農園やランを撮り続けた。