縫合された傷口の治りが遅く、一度1階まで診察を受けに下りたほどだった。化膿などはしていなかったが、洗面器の中にたらし、お尻をつけたらよい液体薬などをもらった。あの10日近く続いた痛みと不便さは、本当につらかった。
そんな私を助けてくれたのが坐月子センターのサービスだ。ランはずっと新生児室におり、授乳時に私が下りて行く。夜9時以降は看護士が預けておいた母乳や粉ミルクで授乳を代行してくれるため、ママたちはゆっくり休める。
また、食事も充実していた。専門の栄養士が一日3食坐月子餐を作り、9時、15時、21時とおやつタイムまであった。
最初「一日6食」と聞いた時は、まさかそんなに食べられるはずないでしょ、といぶかったものだが、出産の疲労や授乳のせいか、あまり残さず平らげていた。おやつと言っても、鶏肉のスープとか、豚バラ肉の煮物みたいなメニューもあったが、空腹はすぐやって来て、おいしくいただいていた。おそるべき食欲であった。
坐月子餐の多くは、日本の料理酒のような米酒をたっぷり用い、漢方の生薬などと一緒に煮込むので、独特の味と香りがする。現地の女性でも苦手だとか食べられない人もいるらしいが、私はそれを芳香に感じ、病みつきになるほど気に入ってしまった。