いずれ近いうちに2本目の二胡(中国語で二胡の量詞は「把」)はgetするつもりだったので、私は姿かたちも音色も好みのそれをあきらめられなくなった。
「明日以降、お店の方に来て。それまでにもう一度松脂を塗り直して、うちが開発した水にも強いケースもつけて待ってるわ。弓はお店の方がたくさんあるからゆっくり選んでもらっていいから。」
と至れり尽くせりという感じの李さんの弁。
私はうれしくて上気しながら内金だけ支払い、リーと娘たちが待つ、ケータイで確かめた約束の場所に駆けて行った。
二胡購入の件はすぐリーに伝えたが、彼はさして表情も変えず、いいんじゃない、と答えた。月謝以外の二胡に関する出費は私持ちだったし、ふだん高い買物などしない私の唯一のゼイタクだと観念していたのだろう。
それにしても、その日曜日は暑いほどの晴天で、台北の長〜い夏の始まりを予感させた。明るい日差し、新しい二胡との出会いに心は躍った。
ところが、その夜のことだった。
定期的に天ぷらが食べたくなる私は、大好きな玉ねぎと人参のかき揚げを揚げていた。ちなみに、天ぷらは日本の食べ物だが、台湾でも輸入された天ぷら粉を限られたスーパーで買うことができる。
かき揚げはよかった。しかし、鶏肉を揚げる際、皮の部分にまだ水分が残っていたのだろう、拳ほどの油の塊がとび跳ねたかと思った時には、私の右手の甲にかかっていた。
熱い〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!
水道水と氷でしばらく冷やしたが、家族はお腹を空かせているし、とにかく食卓を整えた。痛みは退かない。
翌日、薬局で薬を買い求め、やってみたが、改善せず、また翌日、帰宅したリーが早く病院に行って来い、と急き立てた。
「色が変に変わってるよ。気温も高いし、化膿してるかもしれない」
私は1年半ほど前、自らの誕生日に大やけどをしたランと同じ最寄りの外科へ走った。
posted by マダム スン at 05:53|
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家運低迷期突入す
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