ランの幼稚園は大きい方だが、もっと小規模な幼稚園でも広いグラウンドを借りることは多々あることだ。
というのは、台北市内の幼稚園で立派な園庭を持っているところなどほとんどないからだ。いったん台北を離れると、田畑や緑に覆われているのに、台北は人口密集都市なのである。
転校に恵まれ、午前中2時間半の運動会が無事終了した頃、例の自宅前のカフェ・伊巴珈琲が2日ほどシャッターを下ろしている。週末にかかっても開店せず、数日後やっと陳さんだけが店を開けていて、ひとまずホッとして声をかけた。
「王さんが腹痛で救急車で運ばれ、入院したのよ。胃潰瘍が悪化してて手術になったの。ちょうどあの日、私も台中に行ってたし、お店開けられなかったの。」
というのでびっくりした。王さんは当分休養や治療が必要らしかった。心配だし、伊巴珈琲が開かないと本当につらかった。
王さんたちとは気も話も合ったし、喫茶店形式でなくテイクアウトしかないところが多いので座ってくつろげない。また、一般の喫茶店で紅茶などをいただくと3~4倍の値段はするのだ。
王さんの復帰を願いつつ過ごす日々。
もう一つの懸案はメイの目であった。右まぶたに丸いこりこりしたものがあり、長らく治らない。これはおかしい、一度医者に見せた方がいいということになり、私は彼女を眼科に連れて行った。