保健所で乳幼児と老人へのインフルエンザ予防接種解禁のニュースを聞き、まず下のメイを連れて行くが、熱があり延期になる。暑い台湾でも毎年インフルエンザ予防接種は話題になり、実施される。
当時の日記を読んでいるが、ラン入園後は毎日のように娘たちの風邪やら体調不良を綴っている。39度を越す発熱あり、坐薬あり、あわてて小児科受診に家族中蔓延の嘆きありとサンザンである。
10月10日、その年の国慶節には16年ぶりに軍事パレードが行われた。
この祝日は政府の方針やら政権の云々で休みになったりならなかったりする不思議な日である。日本では考えにくいことだが。
それから、例のG出版社からの書評の依頼はぷっつり途切れた。
半年以上にわたり、55冊の日本語書を中国語で書評したことになる。
「ねえ、まだ書評の仕事来るのかなあ?」
とリーに訊いても、G出版社へ逆玉の輿でムコ入りした友人・小宏から何もその件については話がないと言う。まあ、担当者は女性社員で彼とは直接関係ないと言えばないのだが、何の音沙汰もなく引っかかっていた。
様子を見ることに決めたが、その後も結局「これでもう終わりです。ありがとうございました。」とか「またお願いすることがあるかもしれませんが、しばらくは該当書はありません。」などという節目というかケジメというか、そんなあいさつや連絡はまったくなかった。
日本ではまずまかり通らないことではないだろうか。
だが、このようなことは台湾ではめずらしくない。腹を立てるのもバカバカしくなるが、礼節を重んじる国・日本を改めて意識するきっかけになったと思えば、少しは気も穏やかになった。
ただ、せっかく興味ある仕事を広げて行きたいと望んでいただけに残念だ。