その結果、多くの人が顎の痛みを抑え、症状の悪化を抑止できる。
だが、日赤というもののここは田舎なせいか、マウスピース作製には車で1時間ほどかかる別の病院まで行かねばならず、必要な日数を聞くと台湾へ帰るまでに間に合いそうにないため、ひどくなったら台北の病院へ行くことにすると伝え、なんら次の予約はせず帰った。
あれが7月半ば。
あの時はあれでよかった。
だが、放って置いたのがいけなかった。約半年後、台湾でえらいことになる。また、その時書くが、顎関節症の疑いがあり、気になりだした方は早めの治療をおススメする。20~40代の女性に最も多い疾患で重症になると大変つらい。
そして、いよいよその2日後、私は車でご住職さまの待つ菩提寺に向かった。よく晴れた爽やかな朝だった。
何度かお目にかかったことがある40代後半のご住職さまは、白いTシャツにグレーのジャージ姿で現われた。
窓外には大輪のアジサイが見え、出していただいた冷えた香ばしい麦茶がおいしい。
仏教書に飽き足らず、私はついに曹洞宗の菩提寺にたどり着いたのだった。