それがうちはいわゆる国際結婚というやつで、近い国・台湾であってもあらゆる生活習慣や価値観で日本とはかけ離れた未知の文化があるし、もちろん私の育った家庭環境とリーのそれも少なからず差があったのだから大変である。
それから、私とリーはこれまたいわゆる交際期間が短い、電撃結婚の端くれだったからよけいに同居後の問題は多かったように思う。
とにかく私には馴染みにくかったり、驚いたり、どうしても受け入れがたかったりする新文化に悩まされた。今から思えば、私もリーも晩婚で年齢だけは重ねていたが、人間としては未熟、互いに自分を主張するばかりで大人になれなかったことが悔やまれる。
私は2人のことで胸を痛め、ひそかに苦しんでいた。
それを1回目の台湾留学時、マンションをシェアして住んでいた頃の大家さんに打ち明けようとメールを書いていた。私たち夫婦より少し年長で、後に東京に越し、仕事をしている2人を実の兄と姉のように慕っていた。その「兄」が紹介してくれた台北の会社に私が入社し、そこでリーと知り合ったゆえに、話も早かった。
どうしたものか不明だが、その心情吐露したメールを閉じずにいたらしく、リーが読んだと言うのだ!