亜熱帯の台北で15度を下回ると、日本の関西地方の冬装束が必要な感じだ。
だが、そうかと言えば、突然25度を超えたりもする。時々、台北の気候を訊かれるが、とても答えにくい。
中旬にさしかかる頃、2ヶ月ぶりにG出版の金さんから書評の依頼が入る。その間、彼女らは日本へ出張したり、日本書の選定をしたりしていたらしい。私もこの2ヶ月は自分の物書きに取り組んでいた。
そんな師走の13日、神戸出身、台北のカトリック聖心会にいるシスターが大坪林教会に会議のため行くから会いましょう、と連絡を下さり
バスでランを連れて向かう。台湾へ2度目の留学に渡ってまもなく遭遇した悲しい出来事の時、探し出して会いに行った日本人シスターである。実に4年ぶりの再会、白髪がずっと増えた気がするが、元気そうでとてもありがたいひとときを送る。
G出版から頼まれる書評には様々なジャンルの本があったが、その頃初めて石田衣良の作品を読む機会があった。『美丘』だった。
12月17日、その冬初めて私と娘たちはお風呂にお湯を張った。南国台湾では、冬でも湯船に浸かる人は多くないが、私はやはり日本人、寒い冬はお風呂で温まるに限る。入浴剤は豊富に売ってあるのでそれも入れる。ランもメイもお風呂が大好きだ。
街はクリスマスムード高まる頃。
しかし、困った事件が起きる………