しかし、韓国はやはり基本的に台湾より日本に気候帯が似ているため
その後も三寒四温をくり返した。
今回の台湾出張でとうとう転職を決意したリーは、その会社の製品を数点持ち帰った。コラーゲン等を使用した健康食品を扱う会社で、高校時代以来つき合いがあり、元同僚の友人から紹介されたのだ。
もともと2年ほどと言われたソウルでの任期が1年になるとかどうとかいう話はあり、ある程度心の準備はできていたが、3月末か4月初めには台湾へ帰ることになり、いきなり始まったカウントダウンに戸惑う。あと1ヶ月あるかないかなのだ。
リーの転職や起業への関心は数年前からあったが、本当にやってきてしまった。お給料も良く、私にも愛着が強い会社だけにとても残念である。
リーは台北にいる社長にメールや電話で退職の意思を伝えた。
私は内心、社長が慰留し、リーが思い止まることを願ったが、3月9日
社長がリーの離職を認める返事が来て、望みは絶たれた。
急に気ぜわしくなった。
毎朝の散歩の風景も変わる。一歩一歩確かめるように歩く。カメラを持ち出し、馴染んだ風景を収めたりもした。
満1歳になったメイは、明らかにランより成長が遅く、まだ歩けず、パパ、ママもはっきり言えない。
だが、なかなか笑わなかった無表情が徐々に改善し、ラン同様、なかなかのお転婆ぶりを発揮するようになっていった。