台湾の多くの家庭同様、義弟夫婦も共働きで、我が家よりずっと義母を頼りにしている暮らしぶりだった。
義父の命日が過ぎてほどなくした日曜日、義姉がみんなを夕食に招待してくれた。翌月曜日が彼女の誕生日だからだ。
独身で、英語を駆使し、バリバリ働く義姉は、その自らの記念日をタイ料理の店で祝うことにした。タイにも友人がいる彼女は、よくそのレストランに足を運ぶ。お店の雰囲気も良いし、確かにおいしい。
最寄りの支店は太平洋SOGOの向かいにあり、うちから10分ほどと便利でもあった。
また、その週の金曜日は何姐たち、教会の知人総勢4人が我が家にメイ誕生のお祝い兼韓国行き壮行に来てくれた。
「これ、私たちからよ。」
と手渡された小さな箱。恋人同士なら、婚約指輪が入ってるのでは?と思わせるサイズの箱だ。
開けてみると、十字架のペンダントトップだった。とても素敵だ。
台湾では女児が生まれると、金製品をお祝いに贈ることが多い。メッキではなく本物の金製品で、だいたいの場合、ちゃんと保証書が入っている。
私は何度も彼女らに礼を述べた。
そして、同封されていた、これまた小さなカードの表紙には「一路平安」と書いてある。リーの転勤に伴い、母娘も1〜2年ソウルに移り住むことが決まったゆえのメッセージだった。