リーの赴任日、そして私たち母娘はどうするかなど詳細は別として
とにかく決まったのだ。
リーは混乱しているソウル支社のトップに就き、そこでの任務が終わる時には「次」をつかんでおかねばならないだろう。
茫漠とした心境になる。
が、前進しなくてはならない。ソウル行きが私たち家族にとってプラスかつ実り多きものになるよう、私は強く祈願した。
奇しくもこの日、寒波が襲来し、台湾でも雪が降った。東京は大雪らしい。
台湾で平地に降雪することはないが、標高の高い山頂では年に何度か雪がうっすらと積もる。そういう日は必ずニュースで報道されるのだ。
翌日曜日もとても寒かった。特に夕方からはいちだんと冷えてくるのを感じた。
それまでの週末はリーとランだけが義母宅へ帰り、にぎやかなひとときを過ごしていたが、メイも1ヶ月半になり、その日は私もメイも実家へ帰るようリーの指示が出てしまった。義弟の車で送迎を頼むと言う。
こんな寒い日にわざわざ何も、、、と思うのだが、言い出したら聞かない。観念するしかない。
メイは叔父家族、伯母、祖母たちに囲まれ、「可愛い〜」とか「目はあまり大きくないね」とか「色が白くなったね」などと言われた。
たしかに誕生直後は色黒に見えたが、だんだん皮膚は白くなっている。
その夜は翌朝まで暖房をつけて眠った。
台北でも、こんな夜はあるのだ。