私が坐月子中心(産褥期ケアセンター)への入室を強く望んだのは、こういう「監視されない自由」獲得のためでもあった。第一子出産時に書いたように、産婦に対する恐ろしいオキテがある台湾、本当にそれらすべてを遵守すればいいのだろうが、日本人の私にとっては、そこまでしなくていいでしょう、と感じるものが多かった。
さて、さすがに階下の一般病室とはちがい、ケアセンターの部屋はいい。
広いベッド、テレビ、ロッカーも大きい。電気ポットもあり、トイレはウォシュレット、養生茶も常備されている。
そして、待ってました! 食事は一日6回。あの坐月子餐といわれる、中国・台湾伝統の産褥期メニューを10日間賞味できるのだ。
米酒、麻油というごま油、八角やクコの実、はと麦、ナツメなどの薬膳をたっぷり使う独特の品々。香りが強く、嫌う人も多いが、私は台湾人以上に坐月子餐をこよなく愛す外国人ではないかと自負する。
出産の疲れと授乳で、常時空腹状態。専属栄養士が毎日2400キロカロリーの栄養たっぷりな食事を提供すると聞いたが、実はもっと高カロリーではないかと思われる産婦食の美味に与るたび、坐月子中心に戻って来られたシアワセを感じた。
メイはまだ保育器の中。いつ出られるのだろう。
そして、まだ出ぬ母乳。少し焦る。