子宮口3cmの状態が長かったが、一気に8cmまで開いたのだった。
看護師さんたちに押され、ホロつきベッドはスルスルと背中から動き分娩室に移動する。
夕方5時、1階で診察中なはずの謝医師が呼ばれ、上がって来てくれる。メイも臍帯血バンクに登録することになっていたので、リーはそれに必要なグッズ一式を医師に渡している。ヘアキャップをつけ、風呂上り風なリーが右手に腰掛ける。陣痛はぐんぐん勢いを増してくるが、その間の抜けた風貌には前回同様吹き出しそうになる。
妊娠のたびに悪阻(つわり)は軽くなる傾向にあるというのは本当だったが、陣痛はちがった。
なんだこれ、、、 初産に負けないくらい痛い、陣痛は何度来ても同じなの?!
心中思った。
謝医師と2人の看護師、リーの4人は呼吸を整え、力みやすいように声をかけてくれる。だが、あまりに痛くて一時力が萎え、ふーっと気が遠くなる。
「ダメダメ!力まないとダメ!」
ふだん穏やかな謝医師の厳しい叱咤が飛ぶ。
そうだ、もうすぐ、もうひとがんばりしたらメイに会えるんだ、と思い直す。
まもなく、
「あ、頭が見えてきたよ、がんばれ、がんばれ!」
と声援が聞こえる。謝医師も看護師の声にも温かみを感じる。
ようやくメイが下りて来た感覚がわかりだすと、あとは早かった。
1月14日午後5:38、2100g、44cm、第2子無事誕生。