2人目も女の子だったが、今度はリーに任せることにした。台湾の、ある有名な文章の中に出てくる言葉に、女児の名にしてもしっくり来るものがあり、リーは以前から女の子が生まれたら、この名前がいいなあと思っていた「有力候補」がすでにあったのだ。
台湾にももちろん一文字の名前はあるが、お腹の子も二文字になった。
しかし、ラン同様、日本名を考える時、その二文字ではどうもおかしい感じがする。
そこで、私はまた、二文字のうち音が好きな方を選び、日本語読みを考えてみることにした。ランは日本語の発音と中国語のそれが同じだったのでよかったが、今回はちがった。私は漢和辞典で可能な発音を調べてみた。
すると、それまで知らなかった読み方があった。ふつう、訓読みすることが多い字だったのだが、音読みもあり、その響きを気に入った。
第二子の日本名は「メイ」に決めた。
リーの本当の願いは、日本にいる時も、娘たちが中国語名をそのまま使用することだったが、私の姓に中国語名から一文字取ったものを日本名にすることに、はっきり反対を表明することはなかった。