私は夕方からひとり歩いて美容室に行った。ランはリーが守りしてくれていたし、髪を切る必要もなかった。
ランは誕生時から髪が少なく、その後もなかなか伸びず、そのせいかしょっちゅう男の子と間違えられた。
「好可愛的弟弟!!」
見知らぬ人にも、よくそう言われた。可愛いとほめられるのだが、女の子には見てもらえなかった。
台湾では、幼い男の子を「弟弟」(ディディ)、女の子を「妹妹」(メイメイ)と称することが多い。ランに「ディディ!」と声をかける人は10人に8人はいたのである。
夕暮れ時、帰宅すると、リーはリビングのソファにいた。
「羊水検査、問題なかったってさっき電話があったよ。」
私は文字通り拍手喝采の喜びだった。よかったー。雲隠れせずに産めるのだ。
「それから、、、、、」
リーも安心したのだろう、穏やかな表情で言う。
「女の子なんだって。」
・・・・・・・・・・・・・・・? は?
女の子? 超音波検査では男の子だった。私もこの目で見たのだ。
だが、画像で見るより、染色体を調べられる羊水検査の方が正確なのは言うまでもない。
リーには申し訳ないが、自分が男の子を産みそうにない「さだめ」のようなものを感じていた私には、必然の結果のように感じられた。そして、どうも自分には男の子を育てられる十分な資質が備わっていないような不安があったので、第2子も女の子と聞いて大いにホッとし、とてもうれしかった。
しかし、リーはと言うと、、、、、