窓外に見える中庭を眺めながら思案していると、あっ!浮かんだ。
手置きから背もたれがスローな丸い弧を描くソファに目が留まった。私はそれをごろんごろんと私が陣取った壁側のベッドに運び、隣のベッドとの間に置いた。そして、私のベッドの側面にピッタリくっつけた。ソファとベッドの高さは絶妙で、手置きと背もたれが外柵になり即席ベビーベッド完成。ランをそこへ寝かしてみると、小さなランはちょうどすっぽり、これなら落ちる心配もない。このヒラメキに自画自賛した。
私もその夜はさらにぐっすり眠った。前日からのどが痛かったのだが子連れハネムーン最終日の天祥での朝はそれが一段と悪化しており、風邪薬を飲んだ。
ベビーカーを押して朝食に行く。種類豊富なバイキングが用意されていた。台湾の宿はだいたいどこでも、いわゆるパンやコーヒー、紅茶などの洋式と、粥やそれに付す様々な薬味、豆乳などの中国式朝食のどちらもが供される。リーは自宅で毎朝トーストでサンドウイッチを作り食べるが、粥があれば必ずそれをいただいていた。
渋滞が好きな人はいないだろうが、リーはそれが顕著だ。せっかちな彼の性格を考えれば無理ないだろう。
彼は渋滞を避けたいと、8時半にチェックアウト、台北を目指した。
旅中、やっぱり旅はいい、帰りたくないなあ、と感じていたので、最終日は道中切なかった。
午後2時、台北の自宅に無事到着。高いパジェロの後部座席から降りると、咽喉痛の不快さが全身に広がるように不調を強く実感した。