私は昔から退屈に耐えにくい一方で、自分の基本的な生活リズムを不意に崩されるのが非常に苦手であった。それに今はランがいる。依然
ランの健康状態の管理にピリピリしがちだった私には、本当に大きい頭痛の種だった。
案の定、リーにこう言われる。
「赤ん坊は敏感だから、トンカントンカンうるさい場所には置いとけないよ。ランはお袋んちへ連れて行くからね。」
やっぱり、、、、、じゃあ、私も。ランが心配だから。
「ダメだよお、、、職人さんだけにすることはできないよ、物騒な。君は家にいないとダメ。」
まあ、言われてみればそうだった。
季節は春を感じる頃となり、気温も上がっていた。
職人さんが来てくれる日から、リー出勤時にランを義母宅へ預け、私はひとり家に残ることになった。
トンカントンカンどころではなかった。
ズズズズッ、ドドドドッもあり、ラジオやテレビの音がたびたびかき消される。その上、土埃が充満。避難していたランの部屋(夫婦の寝室でもあった)にまで入ってくるので、急いで新聞紙をあちこちにかけ、土埃から護らねばならなかった。
そういう期間に限って、恨めしいほど外はからりと晴れ、私を誘う。しかし、家を離れることは極力避けたい。ランはどうしているだろう、、、、、 トホホホホ、、、、、職人さんは2人。夕方やっと帰って行く。ご苦労様でした、と労をねぎらった後、彼らがつけていった靴の足跡などの清掃に追われた。
工事は一週間続いた。