一般家庭では、冬季、暖房を常用せずに過ごす。たしかに寒さは感じるが、厚着すればなんとかなる範囲で済むことは多い。
一応台湾でも、冬になると、手袋、マフラー、コート、ジャンバー、カイロ、厚手のソックスやタイツなどが売られる。一応、寒い。
だが、南国人ゆえか、どうも日本人の感覚と異なる現象も見受けられる。
一番それを感じるのは、そのままスキーにでも行けそうな重装備をしているのに、足元に視線を落とすと素足なのである。素足に、いわゆるつっかけを履いているのだ。要するに、くるぶしまで雪国スタイルで、さきっちょだけ南国ビーチバカンス状態なのである。
その格好は異様に映る。見ているだけで身震いしそうなのでやめてほしいと毎年思う。老若男女、概してそういうイデタチの人がそこかしこに出現する。
厳冬だったその年、ランの部屋の暖房はしょっちゅうつけた。
そして、リビングのエアコンもONにすることが多かったが、ある日、バリバリバリッと地響きが聞こえた。
私はあわててランの部屋から、リーがいるリビングに向かった。