そのせいかもしれないし、まったく関係ないかもしれないが、ポンポンに膨らんだ私のお腹の皮膚がひび割れて、乾燥し、我慢しがたいほど痒くなってきた。痒みは尋常でなく、お腹だけ模様入りになり、見た目も異様だった。
リーが見かねて、皮膚科へ行った方がいいと言う。だんだん私も、放っておいたらそのうち治る、とのんきではいられないほどつらくなってきたため、夕方リーの会社が引けるのを待ち、夕方2人で出かけた。珂産婦人科の数軒隣りに、いつ見ても患者であふれている評判の良い皮膚科があったことを思い出し、そこを初受診することにする。
その日も案の定、その皮膚科はにぎわっていた。よく見ると、3名の医師が診察にあたっている。受付女史に訊くと、第三診察室の女医さんが一番早く診てもらえるということだった。
患者たちはそれぞれ主治医や、目当ての医師がいるようで、いちばん奥の診察室に陣取る女医はとても若く、抱える患者もまだ少ないようだった。
私とリーはその女医を選び、思いのほか早く診察を受けることができた。「予定日はいつ?」などと、うら若き女医はやさしい笑顔で話しかけてくる。私のお腹の皮膚は見た感じ重症だが、病的には心配ないと、塗り薬を処方してくれた。
皮膚科を出るとすっかり夜になっており、「この近くに夜市が立つから、歩いて何か食べに行こう」というリーの提案に促され、私は歩きにくさに耐えつつ、彼に従った。