リーは私より2歳年上で、彼にしてもオンナの涙だけでほろりとするような年齢ではないにせよ、私の真剣な先ほどの質問で少し目覚めたのか、元カノとの復縁&結婚への勢いをセーヴするような態度を見せつつあった。
胸のうちをすべて吐き出し、リーが「じっくりもう一度考えてみる」と軟化したことで、私はだいぶ平静になって、彼の車に送られ帰宅した。車窓からの景色を見ながら、リーとの関係が新たな段階に入ったことを実感していた。
その後、緊張度の高い毎日を強いられたのは言うまでもない。一日一日が勝負だった。
10月に社員旅行が例年通り催された。何せ社員数が多いため、4団に分かれて行われた。各地の支社からも参加し、図らずも、幸運にも、私はリーと同じグループに振り分けられた。
その頃には2人の気持ちはかなり近くなり、リーが私を特別な女性と認めてくれているのではないかと期待できるくらいに進展していた。私が彼を追いかける構図には変わりなかったが、十分希望は持てる状況だった。
だが、それでも焦った私は、かつてリーが電話をかけてきた時に書き留めた実家の電話番号を机の引出しから探し出し、彼の両親に会いたいと思い始めた。