私がレーザー手術に興味を持ったのは、このド近眼さえ治れば、コンタクトレンズを入れずに済むと思ったからだ。もちろんメガネも併用していたが、厚いびん底メガネは重くて疲れ、見た目も気になった。
しかし、レーザー手術は誰でも受けられるわけではなく、視力や角膜の厚さなどを検査した上で判断されるらしく、私は大きな期待を持って医師による検査を受けることにした。診察日を予約し、OKが出れば当日施術という段取りまで整え、リーにもメールで伝えてあった。
3月末だったと思う。もしかしたら手術になるかもしれない日、リーはちょうど定例会議出席のため、台湾に帰って来ていた。私は前もって、もし手術を受けたら、その日は眼が見えにくいので帰宅するのが厄介だと書いたが、リーは当日他に先約があり、車で迎えに行くのは無理だと言った。
残念だったが、検査結果も角膜が薄すぎ、視力も過度に悪いため、理想的なレーザー手術は不可能と出て、私はがっくり肩を落とした。
だが、リーがあの日言っていた「先約」が何だったのか、ずっと後になって知った私は、さらに失望することになる。