しかし、私がリーを「追いかける」構図を自分が認めたことで、些か気持ちは落ち着いてはいた。
学校には友達がいたし、韓国人の同僚とも気が合ったが、そうしょっちゅう彼女らとわざわざ約束して会うことは少なかった。忙しい人は多かったし、寂しいながら誰かといるとなると時間や場所を拘束されて、それをうとましく感じる自分もいた。
そのため、パソコンと向き合う時間はどんどん伸び、いつしかコンタクトレンズを入れるのを苦痛を感じるようになってしまった。昔からドがつく近眼で、ドライアイの兆候も顕著だったが、それが一気に加速した感じだった。
それでも一日8〜10時間ほどは大丈夫だったコンタクトが、数時間でつらくなり、とうとうまったく受けつけず、何をしていても目が痛いようにだるく、目を開け、何かを見ることさえしんどい重症になった。吐き気までするのだ。
そして、台湾人の同僚に訊き、紹介された眼科を受診することにした。名前は聞いたことがある、結構大きい総合病院の眼科だった。
コンタクト禁止、目薬点眼の他に、日常注意することをあれこれ言われたが、ドライアイを根本から治す方法はなく、劇的な回復は望めないということがわかりがっかりした。
もともと孤独な生活に、リーを追いかける熱心さが加わり、パソコンに依存し過ぎた弊害だった。