2008年11月03日

実家で想う

神というものが本当にあるなら、どういう観点から、何を基点に私の定めに采配をふるっているかはわからないが、あの時私は、そういう力に支配される運命に失望はしなかった。そういう大きな力から見て、私に不要なものは与えられず、与えられるべきものは与えられるのだという、それまでになかった覚悟のような、畏敬すべき何かに委ねるような不思議な安寧を得るに至った。
田舎では、なかなかかつて通っていたような中国語教室はなく、まったく独学に頼るしかなかった。書き込み式テキストに指示通り書き込むだけの空しい学習状況だった。
大学時代、本当は大学院へ進みたかったが、父の反対や、それに勝てるだけの具体的な研究計画が私にも立てられず断念した経緯があった。そのせいか、もっとアカデミックな生活を送ることに未練が残ったままで、社会人が中国語を学べる制度を調べ始めた。
しかし、私を本気でそれへ駆り立てなかったものは、試験の難易より、そういう学校まで通うに必要な高額な交通費と3〜4時間に及ぶ通学時間だった。
英語講師の仕事は夕方から夜にかけてのみだったので、昼間は洋菓子店でアルバイトもしていた私は、かなり多忙な毎日を送っていたが、栄養補給のためにも、数日間休暇を取り、旅行に行くことにした。ホテル退職後、1年余り経った秋のことだった。取れる休みには限りがあり、2〜3泊でも楽しめるらしい台湾に初めて行くことに決めた。
posted by マダム スン at 10:37| Comment(0) | 実家での迷い | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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